7000ct0061

Mに堕ちる シリーズ 1

サディスティックな夜は甘く

~Mに堕ちる 1~

著者/ 伊郷ルウ

イラスト/ 桜井りょう

タグ: シリアス 社会人 義兄弟 SM オレ様 スーツ メガネ 強気 白衣 エッチ痛め 凌辱 研究室 緊縛

兄への思慕を一夜の相手で紛らわそうと、幸司は出会ったばかりのエリートサラリーマンの風の雅彦のマンションへ。そこで幸司はキツく手足を縛られ無理やり凌辱される。責められながら自分の身体が痛みを受け入れ悦びを感じていることに戸惑う幸司はやがて…。


「やめ……ろっ」
 クルクルと巻き付けられたネクタイは、すでに固く結ばれている。
 慌てて後じさるが、ネクタイを掴んでいる雅彦との距離は変わらない。
「非力ですね。嫌ならちゃんと抵抗しなさい」
 呆れ気味に、それでも楽しげに言いながら、雅彦は余った両端を首の後ろへと回す。
 嘘だろ……雅彦の行動に気づいたときには、すでに遅かった。
 ピッタリとくっついた両の手首が、襟元ギリギリまで引き寄せられた状態で、ネクタイが首の後ろ側で結ばれたのだ。
 目と鼻の先に自分の両手を見る格好で、幸司はその手をまったく動かせないのだ。
 そればかりか、頭を反らしていないと、顔が手に当たってしまい、自然とあごが上がる。
 足は自由に動く。目の前の男の股間を蹴り上げることは可能だろう。だが、それでどうなる。この格好では、ドアを開けることも叶わないのだ。
 結局はまたこの男になぶり者にされるのかと、初めて体験する拘束に愕然としてしまった。
 幸司の驚く顔すら楽しみに変わるのか、雅彦は嬉しそうに笑いながら、ネクタイと首の間に挟まれた、長い金の髪をそっと両手で引き出した。
「こうして髪を結んだほうがいい」
 片手で髪を束ねる雅彦は、大学で見た幸司を思い出しているようだ。
「触るなっ!」
 怒鳴って首を振ろうとするが、ギュッと髪を掴む雅彦の手に、それすらままならない。
「メガネは伊達ですか? 似合っていたのに……」
 掴んだ髪を思い切り下に引っ張られ、さらに幸司の顔が上向いた。
「白衣姿もね、そそられましたよ」
 笑った雅彦の息が、耳をかすめる。
 幸司はやっとの思いで顔を背け声をあげた。
「やだ、やめろっ」
 髪を掴んだままの雅彦が、ゆっくりとした足取りでソファに向かう。
 幸司はなかば引きずられるようにして連れて行かれ、ソファにトンと押しやられる。
 柔らかなソファに尻をつき、両手が使えない幸司はバランスを崩す。
 だらしなく開いた両脚の間に、すかさず雅彦が割って入った。
「私と二人きりになれば、こうなるとわかっていた。わかっていて訪ねてきた。そうではないのですか?」
 わずかに首を傾げて問う雅彦の顔は、すべてお見通しだと言っている。
「違う……俺は……」
 床に膝をついた雅彦の手が、シャツのボタンを外し始める。
 一つ外れるごとに、幸司の胸が露わになっていく。
「昨晩のことが忘れられなかったのでしょう?」
 すべてのボタンを外し終えた雅彦が、シャツの前を全開にした。
 服に覆われていた胸が空気に触れ、雅彦の目に晒される。
 悔しいほどの恥ずかしさに涙が滲んだ。
「そう……じゃ……な……ぃ」
 否定する幸司の声は、恐怖と混乱に震えている。
 生まれて初めての屈辱を与えた男だ。危険を感じなかったわけじゃない。それでも、ここに来たのは、雅彦に会いに来たのは、話がしたかったからでしかない。
 昨夜のことは忘れられない。だか、それは忘れられないほどの苦痛だったからで、二度と味わうのはごめんだ。
 それなのに、見られているだけでそこが熱くなる。そして、なにかを期待して、尻の奥がムズムズとうごめき出す。
「身体はそうだと言ってますよ」
 肌の熱さを確かめるように、雅彦の手が胸の上を彷徨う。
 柔らかな感触に、ゾクリと身体が震え、腰が勝手に浮き上がる。
 これはあきらかな快感だ。だが、幸司は感じてしまう自分を、どうあっても認めたくない。
「違……う……やめろ」
「強がっても無駄です。もう、こんなに硬くしこって……」
 指先でツンと小さな塊を弾いた雅彦が、そこに唇を寄せた。
 含んだ乳首を軽く吸い上げ、そして、舌先で転がす。
 優しさはほんの一時だ。すぐに痛みを加えられる。そう記憶しているからこそ、意識はその小さな一点に集中してしまう。
 だが、いっこうに痛みが襲ってくる気配はなく、ねっとりと甘い愛撫だけが続けられた。
 神経が研ぎ澄まされているぶん、与えられる快感はより鮮明になっている。
 延々と続くこそばゆい感覚に抗えず、幸司は仰け反って身悶えた。
「あっ……ふ……」
「ここは、ちゃんと感じていますよ」
 いったん離れた唇が、再び濡れた乳首を吸い上げる。先ほどよりも少しだけ強く。
 痛みのない優しい愛撫に、このまま快感に浸りたいと、幸司の心は揺れ動いた。
「欲しいならば、正直にそう言いなさい」
 心の内を見透かしたような雅彦の囁き。
 唇に取って代わった指の腹が、さらに追い打ちをかけるように、コロリと硬くなった先端をくすぐる。
 乳首がクッタリと柔らかくなるまで、さんざん弄んだ指先が、ゆっくりと下腹へ落ちていき、ジーンズに覆われた股間に触れた。
「う……ぐっ……」
 嫌というほど股間を強く掴まれ、幸司の腰が大きく跳ねる。
 脳天を直撃する激痛は、まさに天国から地獄へと突き落とされた感じだ。
「やっ……」
 幸司は腰を引くが、雅彦は手をそのままに、ソファへと移動する。
「虐めてほしいのでしょう?」
 悪魔の囁きにも似た雅彦の問いかけに、幸司は涙に滲んだ瞳を向ける。
「お……俺は……」
 躊躇う幸司の股間を、雅彦は微笑みながら握りつぶす。
 その笑みを目にした幸司は、股間に痛み以外の熱が生じるのをハッキリと意識した。
 身体が痛みを受け入れた瞬間だった。

この電子書籍もオススメ

トップへ戻る