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スーツの天才

著者/ 立花つづく

イラスト/ いさか十五郎

タグ: シリアス 一目惚れ 思い込み 社会人 過去のトラウマ オレ様 スーツ メガネ 同僚 意地っ張り アート エッチふつう 会社

「瑞樹で興奮させられた。責任をとれ」。広告代理店の資料室で働く有里瑞樹は、社内コンペでのコピーが天才デザイナー鳴神修治の目に止まり、コピーライターに大抜擢される。オレ様系の天才に振り回され慣れないアルコールで朦朧とした瑞樹は鳴神の部屋で…!

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「あ……」
 動けなくなった。
「離せ! 離せったら! オレは“普通”でさえないんだ!」
「普通じゃないとはどういうことだ」
 身体を跳ねあげれば、鳴神はさらに強く瑞樹を掴んでくる。下肢に鳴神の大腿を感じた。スーツのなかにあったけれども、意識したことはないけれども、瑞樹にはわかる。無駄のない筋肉の鳴神のすらりとした足の形を楽に想像することができる。思わず瑞樹は、鳴神に自分を押し当ててしまった。
「ああ、そうか、そういうことか、瑞樹」
 鳴神が唇の端をあげて、笑う。瑞樹は鳴神に押し返された。
「――気が付かなくて悪かったな。お前、こうしたかったのか」
 あろうことか、鳴神は小刻みに大腿を揺らし瑞樹を刺激してくる。瑞樹は簡単に嵩を増した。
「なにするっ! 止めろよっ!」
「お前のしたがることをやってるんじゃないか。もう少し足を開け。そのほうが擦りやすい」
「違う!」
 瑞樹は腕を突っ張って鳴神から逃れようとした。ほんの少し離れて間に空気が流れてくると、それがまた刺激になる。
「足は違うのか、手のほうがいいのか」
 鳴神は指でゆっくりと瑞樹の身体を撫でる。たどって下ろす。首を鎖骨を胸を腹を。
 たどり着く先がわかると、瑞樹はかぶりを振った。
「頼む、鳴神、頼むから……」
 止めてくれ、という言葉は鳴神の唇のなかに吸い込まれた。これもまたゆっくりと口付けを繰り返される。甘いチョコレートと芳醇なウイスキーモルトの香り。瑞樹はもう先端を先走らせていた。
「頼まれなくとも、してやるから急くな」
「……あっ……あ」
 精神を無視して欲求が走る。
「う……あっ!」
 鳴神の指に握りこまれた途端に瑞樹は早々に達した。鳴神の手の中に放出を終える。
「急くなと言ったのに……」
 瑞樹はカアッと身体中に朱をのぼらせた。鳴神の指がタブレットを一度すべっただけ、その一時で達かされた気がした。痴態をさらしてしまった瑞樹は歯を食いしばり、やっとのことで声を発する。
「……もう、わかったろ。オレの身体はこういうふうに出来てるんだ。……“普通”じゃないんだ」
「充分わかった。続きをするぞ」
「……え?」
「瑞樹で興奮させられた。責任をとれ」

 ベッドから飛び降りて逃げようとしたのに、アルコールに支配されていた身体は、鳴神の力の前に屈服させられた。瑞樹は、鳴神の身体で嬲られ、弄ばれた。鳴神は巧みで瑞樹の弱いところを簡単に探し当てる。つぎつぎに瑞樹は陥落させられていくのに、鳴神は容赦がない。
「なる……鳴神、もう、これ……止めて、く……」
 瑞樹が舌と指に反応を強くすると、鳴神はしつこくそれをくり返す。そして瑞樹は相手が同性だ、とわかればわかるほど、激しく反応することを鳴神に知られた。
「止めてほしいのか?」
 骨張った肩や広い胸を意識させられるのはもちろん、低い声を聞けばそれだけで瑞樹は身をよじるので、鳴神はひっきりなしに囁いてくる。
「それとも、こっちのほうがほしいのか」
 そしてなんども、瑞樹の身体に雄をすべらせる。
「ほしく……なんかっ」
「きちんと言わなければいつまでもお預けだぞ」
 さきほど、後孔を指でひろげられ鳴神自身をあてがわれたので、瑞樹は挿れられる、挿れてもらえると気持ちを準備した。しかし鳴神は、瑞樹に手で擦らせたあげく、入り口だけに精液を叩き付けてきたのだ。裏切られた衝撃と精を浴びる感触に瑞樹は声をあげて達し、それから焦らされつづけている。
「これが、好きなんだろう?」
 鳴神が中心と中心とを合わせた。瑞樹にはこれがたまらない。早く、身体を埋められたい。
「ほしい、鳴神……もう、お願いだ、か……ら、挿れてく、れ」

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