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ヒロインみたいに抱きしめて

著者/ 楠田雅紀

イラスト/ 吉原ユウカ

タグ: すれ違い ほのぼの 幼なじみ 乙女 男前 ご近所 エッチ薄め

年上の幼なじみ・太志に片思い中の翼は、夜の公園で、太志が告白されるのを立ち聞きしてしまい落ち込む。そんなある日、翼のアルバイト先に、大ファンである俳優にそっくりのイケメン橋本君が現れた。太志への思いに揺れつつも橋本君の部屋に誘われた翼は…!?


 太い腕に抱え込まれる。
 太いっていっても、脂肪のせいで太いんじゃなくて、日々の鍛錬で培われた立派な筋肉のせいなんだけど。
 腕だけじゃなく、肩幅も広いし、胸板も厚い。背も高い。体積でいったら、ぼくの倍はゆうにありそうな、大きくて、たくましい躯。
 その胸に抱き締められる。
 ぼくは恥ずかしくて身じろぎしたいんだけど、なにしろ、胸も肩も腕も筋肉がついてたくましいもんだから、ぼくの細っこい躯は胸と腕に囲われてしまって動かせない。
「翼」
 低くて、少しかすれた声。男らしい声が、切なげにぼくの名を呼ぶ。
「好きだ」
 ぼくも……ぼくもだよ、太志。
「翼……欲しい」
 太志の言葉はいつも端的で短い。ぼくを抱く時も、それは変わらない。
 そして、手が、太志の手が、不穏に動き出す。左手が上半身をまさぐり、右手がぼくのお尻を愛おしそうに撫でる。
「あ、ダメ……」
 二十歳の男にしたら、ぼくのお尻は丸みがあって柔らかそうに見えるけど……しょせん、男の尻。女の子のお尻のように柔らかく弾力があるわけじゃない。――女の子のお尻なんてさわったことがないから、断言はできないけど。太志にさわられるのは、ちょっと恥ずかしくて怖い。
「翼」
 太志の手がスウェットのゴムをくぐって、ぼくの下半身にじかに触れてくる。
「あ! あ、ダメ……ダメだよ、太志っ」
 ぼくは慌てて腰を引こうとする。
「ダメじゃない」
 ぼくが逃げようとしたのを怒るみたいに、太志がさらに強くぼくを抱き寄せ、手を強引にさらに奥へと入れてくる。
「……!」
 ついにぼくのペニスに太志の太い指が絡む。柔らかく握られる。
「……あ……」
 ぼくは反射的に太志の胸にすがりつく。少し乾いて、肌の堅い指が、ぼくのものを丹念になぶりだす。
「……ッ……ッ」
 ――すごい快感。太志の指が……あのごつくて、長い指が……ぼくをまさぐる……。
「翼……翼のココに、ずっとさわりたかった……」
 ――そんな……! それが本当だったら、どんなに幸せだろう。
「翼、見せてほしい」
 太志がぼくのスウェットを剥ぐように脱がせ、ぼくの下半身を露わにする。
「や、やだ、太志……恥ずかしい……」
「恥ずかしくなんかない。……綺麗だ、翼」
 ささやきが熱い。褒められて、ぼくは一気に昂ぶる。ふだんはくったりと柔らかく垂れている部分が、グンっと育って腹に向かって反り返る。
「感じてるのか、いやらしい子だ」

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