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君に遭いに、逢いにきたよ

著者/ 佐伯まお

イラスト/ 東城ひかる

タグ: ほのぼの 三角関係 再会 やんちゃ エプロン 強気 エッチふつう 住み込み

恋人に他にも男がいた!? すべてを忘れるため冴島はスキー場でバイトを始めるが、職場にはなぜかそいつが! 表題作ほか、不良の泰二が更生のために日本一のトラック運転手に弟子入りした!? トンデモ系を書かせたら右に出るものナシの佐伯まお珠玉の作品集!


「仕事場じゃ冴島って呼ぶのに、今は篤、って呼ぶんだな」
 姫野がしまった、という表情をする。俺がじっと見つめると、気まずそうな表情で視線を逸らす。やった。俺の勝ちだ。
 ここで解放してやってもいいのだが、ヤツの肢体に見て触れているうち、俺の中のムラムラした欲望が、はっきりと形を持って暴れ出していた。
「なあ、俺は冷え切ったお前の身体を温めてやるだけだぞ? こうして、擦って」
「う……うん、そうだな」
「唇を吸ったのも、チアノーゼを起こして紫色になっていたからだ。なぁ?」
「……っ、あぁ、そうだ」
「ちっとも、変なことじゃないだろう」
 姫野は返事をする気も失っているようだ。俺の指で弄ばれている乳首は、今度は寒さのためじゃなく、快感を求めてぷっくりと膨らんでいた。
「ほら、もっと温かいだろ」
 俺が乳首を舐め上げて口に含むと、姫野はぎゅっと拳をつくり、自分の口元に持っていって喘ぎを押さえようとする。
「パンツがなかなか乾かないみたいだから、脱ごうな」
 俺の手がそのショッキングピンクの小さな布に触れると、姫野は脱がすのを助けるように腰を浮かした。もう、意地を張って抵抗するつもりはないのだろう。
 濡れて身体に貼り付いたパンツを苦労して脱がすと、中からぴょこん、と元気いっぱいの屹立が飛び出してきた。
「ここもちゃんと拭かないと、風邪を引いてしまうだろう」
 姫野の身体の下に敷いていたタオルを引っ張り出し、やんわりとそこを拭く。薄めの恥毛が屹立の周囲を飾るように逆立つ。
「んっ……てめえ」
「どうした?」
「こっ恥ずかしいからよ、早く拭け」
「生意気言っちゃってぇ」
 下腹に密着するくらいぎんぎんに脈打つ姫野の性器を、俺はつんつんとつついた。
「ひぃっ」
 姫野はもどかしそうに眉根を寄せ、浅く速い呼吸をしはじめた。そして俺の下腹あたりに自分の手を彷徨わせる。
「篤……てめえも、勃ってんじゃねえか」
「そりゃそうだ。ゲイだからな」
「そ、そうか」
 姫野は俺に弄られてもじもじと腰を揺すりながら、俺の火照った性器に指をからませ、ゆっくりと擦り上げていた。かじかんでいるのか、先端の赤味がひかない、ひんやりとした指。その落ち着きのない手つきに俺は少しだけ不安を覚えた。
「ガキじゃないんだから、擦りっこでイクなよ」
「わかってらぁ。て、てめえこそ」
 強がりながらも、イヤイヤをするように、ベンチの上で髪を振り乱す姫野を見ていると、ますます構ってやりたくなる。
 ――進也もそう思ったのだろうか?
 不意に進也の穏やかな笑顔が思い出され、俺は姫野を嬲る手を中断させていた。
「……どうかしたのかよ?」
 姫野が呼吸を整えながら、俺を見上げてくる。俺を威嚇しようと必死に睨み付けてくる時と違って、あどけなささえ滲ませた表情で。
「なるほどなぁ」
「なんだよ、なるほどって」
「こっちの話だ。姫野にも内に秘めた考えがあるだろう? 今はお互いつっこまないことにしないか?」
「あぁ……わかった」

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