9041518

君の傷痕

著者/ 松浦巽

イラスト/ サンバ前川

タグ: シリアス 三角関係 社会人 過去のトラウマ スーツ 男前 筋肉 ご近所 エッチふつう フェチ 消防士

傷痕フェチの緒方は、消防士・北川の腕の傷に惚れ込む。偶然見つけた連続放火魔を追いかける緒方は、逆に廃工場に閉じ込められ火を放たれた。果たして緒方は助かるのか!? 緒方との関係を勘違いした北川の友人もやってきて、キケンな三角関係が燃え上がる!?


 無言で、きつく抱きしめられた。首すじに熱い吐息がかかり、シャンプーの香りが鼻孔をくすぐる。
 北川のマンションで、夕食と入浴を済ませ、寝る準備をしたところだった。明日は土曜日で、二人とも休日だ。「泊まりにこいよ」と誘ってきた北川の言葉には、言外の意味がこめられていた。
 狭いベッドに組みふせられ、もう一度深くキスをされる。
 やらわかな舌が入ってきて、口の中を探られた。歯の裏側や上顎をなぞられ、舌をからめられて軽く吸われた。舌先に軽く歯を立てられると、甘い痺れが広がった。
「ん……」
 キスをされながら、指で髪をとかすようにされる。その指が、うなじをたどり、肩を撫でて、胸元へと移動してくる。
 パジャマのボタンを、一つ一つはずされた。前をはだけて、素肌の上に手のひらを載せられた。ごつごつして、温かい手。ゆっくり撫でおろされると、肌がざわめく感じがした。
 乳首に触れられると、思いがけず気持ちがいい。そこだけ敏感で、少しくすぐったくて、触れられることによってそこに乳首があるとわかるのは、なんだか不思議な感覚だ。
 口元から離れていった北川の唇が、顎をなぞり、喉仏をついばみながら下へと向かう。鎖骨のあたりでとまったと思ったら、いきなり強く吸われた。つねられるような痛みがなぜか快く、唇が離れたあとのひんやりする感じと混じりあって、体の奥へとしみこんでいく。
「印がついた」
 北川が満足げに言う。
「なんの印だよ」
「俺の印」
 それを聞いて緒方は、まんざらでもない気持ちになる。
 自分が北川のものになるということは、同時に北川も自分のものになるということだ。愛する者同士の束縛は、安らぎでもある。
 手を伸ばして北川の頬に触れると、顔をずらして人差し指をくわえられた。
 とたんに下腹部に走る、慣れ親しんだ疼き。指に舌を絡められると、まるで性器を直接舐められているようないかがわしさがあって、股間が熱くなった。
 北川がみじろぎして、腰を押しあてるようにされる。
「あ……ちょっと――」
 急激な体の変化にうろたえて緒方が身をよじると、かえってこすりつける結果になり、完全に勃ちあがってしまった。
 濡れた音を立てて指から口を離し、北川はつぎに、緒方の乳首を口に含む。粘膜の熱い感触が生々しい。だが唇はひどくやわらかく、指で触れられたときのような存在感はない。もどかしくて、緒方はもっと強い刺激が欲しくなる。
 無意識に体をくねらせると、舌先でこねるように舐められた。刺激は足りないが、その淫らな動きに興奮する。母乳を吸うようにちゅくちゅく搾られると、音の恥ずかしさにかえって気持ちが高ぶった。
 緒方の胸を攻める一方で、北川はゆっくり腰を揺らしている。二人の体の間で性器が揉まれ、心地よさのあまり緒方は恍惚となる。緒方の太腿に当たる北川のそれも、すでに硬い。
 パジャマの袖から腕を抜かれ、完全に裸になった上半身を、さらに手のひらで撫でまわされた。腕や脇腹、背中にまで手が回りこんできて、隅々まで快感を掘り起こされる。
 自分からも触れたくなって、緒方は北川のTシャツに指をかけた。ひっぱりあげて脱がせようとすると、北川は愛撫を中断して自分で脱ぎ捨てた。
 鍛えられた見事な体があらわになる。
 緒方は北川の手をつかんで引き戻し、唇を合わせながらその背中に腕をまわした。しなやかな筋肉の隆起を指でなぞりながら、下へと撫でおろし、ひきしまった臀部を手のひらで包む。
「いい体すぎて、悔しい」

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