7000ct0160_cover

愛しい人シリーズ 1

愛しい人はすぐそばに

著者/ イシミ光

イラスト/ 猫柳ゆめこ

タグ: 切ない 幼なじみ 社会人 スーツ 天然 巨根 意地っ張り エッチふつう 住み込み

「大事な息子さんに欲望全開な鬼畜でホントすみません」。時哉が仕事で預かった仏壇の中にあった、水晶のかんざし。それには男花魁の霊が宿っていた! 幼なじみの平園要がその霊に取り憑かれてしまい性格が一変、周囲の男を次々に誘惑し始めて…。とうとう職場の先輩に迫られる場面を目撃した時哉は、本当の要を取り戻すため、花魁の霊を成仏させようとするが…!?


「なんか……、改めて今の状況と向き合うと照れるな」
「オレだって恥ずかしいんだからお互いさまだろ」
 素っ裸を晒した状態で今さら何を恥ずかしがっているんだと自分を鼓舞する。もとより相手は要だ。みっともない姿なんて何度も見せて来ている。それでも要だからこそ、痛くしたりましてや傷つけたくはない。
「あのさ俺、男相手は初めてなんだ。だから痛くするかもしれないから、そんときは厭だってはっきり――」
「厭だなんて思わないし絶対言わない。だからもうあれこれ考えるのはやめろよ。オレだって早く……して欲しい」
「要……」
 下から見つめる真っすぐな瞳が恥ずかしく、時哉は視線を泳がせてから要の瞼にキスをした。その唇が耳朶を食み、頬に触れたあと要の唇へと重なる。口唇の隙間から舌先を滑り込ませると、要はびくりと肩を震わせながらも、時哉の腰に腕を回して舌を絡みつけてきた。
 どくどくと脈打つ要の心音が、肌を通して伝わってくる。
「緊張している?」
 息がかかるほどの近さで問いかける。要の唇からくすりと笑みが零れ落ち、時哉の鼻先を擽っていく。
「もちろん緊張しているさ。でもそれ以上に嬉しいんだ。なんだか現実じゃないみたいで……」
「それは俺も同じだよ」
 時哉は要に覆い被さり、離さないとばかりにきつく抱きしめる。要の息遣いや肌のぬくもりは現実の証。それでも不安に駆られて、熱く滾る熱を確かめたくて要の肌に唇を這わす。
 愛しい人の肌の感触がこんなにも気持ちがいいのだと初めて知った。
 愛しい人の声が狂おしいほど甘美なものだと要のおかげで知ることが出来た。
 時哉の唇が動くたびに半開きの要の唇から掠れた声が零れ落ちる。その唇を指でなぞり首筋を通りすぎた指先が、くっきりと浮き出ている鎖骨に触れる。
 時哉の視界が平らな胸の上でほんのり色づくふたつの凝りを捉えた。ひと呼吸置いてから薄桃色の可愛い尖りを優しく指で摘む。
「あ……っ」
 無意識に零れた吐息に、時哉は目を細めてごくりと唾を飲み込む。生々しさに羞恥を煽られた要が手のひらで顔を覆う。だから時哉はそこに口づけた。
「隠すなよ。可愛い顔を見ていたい」
 耳元で囁くと「やだ……」と小さく返しながら、要が指の隙間から可愛らしく睨みつける。
「時哉、なんだかオッサンみたいだ」
「俺がオッサンなら要だってオッサンだ」
 要のほうが二ヶ月早く生まれたことを口にすると、むっとしながらまた睨まれた。
 どんな要も全部可愛い。すべての表情を瞳に焼きつけたくて凝視すると、要は上掛けの中に潜ってしまった。
「機嫌直せよ。要はオッサンなんかじゃないからさ」
 こんな可愛いオッサンがいてたまるか。いちいち可愛い態度に時哉は目を細める。
 上掛けからそっと顔を覗かせた要は、
「時哉のその目はオッサンだ。エロくてぎらついているオッサンの目」
 それには時哉も納得だ。だって大好きな人を裸に剥いてその肌を余すことなく舐めまくりたいと思っているのだから。
 有言実行とばかりに時哉が要の肌に舌を這わす。とたんに要が背中を撓らせる。
「気持ちいい?」
 もう喋るなと無言の瞳を向ける要に、くすっと笑んだ時哉は小さな尖りを口に含んだ。
 答えの代わりにシーツを掴む要の手に力が入る。
「要は敏感だな。どこに触れてもびくってする」
「は、恥ずかしいこと言うな」
「なんで? セックスするのに恥ずかしがってたら出来ないよ。だってもっと恥ずかしいことをこれからいっぱいするんだから」
「う……」
 薄桃色に染めた肌の上で固く凝った小さな尖り。そこはすでに赤く色づき、時哉の唾液で濡れ光り、卑猥さを煽る。
 こりこりと根元を指で摘み、突き出した舌の先でぺろりと先端を舐めると、とたんに要の腰が揺れた。快楽と羞恥の入り交じった顔。その顔を視界の片隅に捉えながら、時哉は根元に優しく歯を立てる。
「あ……っ、ハァ……ぁ」
「そんなに気持ちがいい?」
 時哉が乳首をピンと指で弾く。要が短い喘ぎを零した。
「と、時哉のエロ親父」
「ああ、俺もそう思う」
 肌を重ねた相手の零す喘ぎにこれほどまで反応したことなど今までなかった。
 いやらしいことをしている自覚はある。でもそれ以上にこうして肌を重ねていることが嬉しくてたまらない。
 快楽に歪む要の顔を写真に撮って記念に残したいほどだ。それならむしろ動画撮影でもするかとひとりにやついて、そこで時哉ははっとした。
 にやつく時哉に向けて、下から殺気混じりの気配が突き刺さる。
「何を考えている?」
「え……いやぁー、別に」
 付き合いが長いのも考えものだ。どうやら時哉の良からぬ企みなど要にすべて読まれている。
 誤魔化したくて、時哉は要の乳首を口に含む。口内でぷくりと硬くなっていくそこを舌先で突き、甘噛みを加える。ちゅっと音を立てて吸い上げながら、白く透きとおる肌を手のひらで撫で回してその手を徐々に下へと向けた。

この電子書籍もオススメ

トップへ戻る