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白衣の頂シリーズ 2

灼熱に惑う白衣

著者/ 立花つづく

イラスト/ いさか十五郎

タグ: シリアス 復讐 社会人 義兄弟 御曹司 白衣 黒髪 エッチ濃いめ 拘束 緊縛

「強がるな。腰が揺れているぞ?」。二世紀以上続く医者の一族、八津葉家。義兄弟の静と計都は、腐敗しきった一族を改革しようと機密ファイルを手に入れる。そんな二人の前に分家・裏八津葉の剣が現れた。本家との立場をも覆す鍵であるファイルを手に入れようと、計都を攫い拘束した剣は、静にファイルとの交換を提案する。「ダメだ兄さん…こないで」。剣の容赦ない淫虐に耐える計都だったが…。陰謀と計略の中、白衣の頂を目指して男たちの運命が交錯する!


「飲め」
 命令した剣が薬瓶を、はだけた白衣の下の左の乳首に押し当てた。
「ふ……ぁっ……ぅ」
 瓶の冷たい感触に刺激を受けてのけぞる。思わず口を開けてしまった。それを見逃さずスプーンが喉奥まで入り、計都はシロップを飲み下した。
「これは一時間後用だ。それ以前の分はもう気絶しているあいだに摂取が済んでいる。一定時間おきに飲ませてあるから……飲んだ時間毎に敏感さが増していく。楽しみにしておけ」
「この、薬……遅効性……?」
「正解だ。薬が分解したとき効果が現れる。効果だけは続く。面白いだろう?」
「もしや……」
 効果が発現したときに、すでに分解しているのなら、薬は検出できない。
「八津葉患いも……遅効性の毒? 解毒剤も遅効性……だから時間を正確に予告でき、る?」
「正解だ。私の予定に合わせて薬が効いたのではなく、薬の効く時間に合わせて私が動いた。そういうことだ……褒美をやろう」
 剣が薬瓶をまた乳首に押し当てた。さきほどとは違い、粒をねじって酷く押しこまれる。
「痛っ……あ、は――っあっ――……! あ!」
 硬い瓶で押しこまれるのには、痛みがあった。静には痛みを伴うような愛撫を加えたられたことはない。しかし痛いほどにされるのは、かってない快感だった。ぐりぐりと刺激されて計都は身をよじる。
「乳首で感じるのか。恥ずかしい奴だ。……下も完全に勃起したな。ああ、そうか。静にずっと構ってもらえなくて溜まっていたか」
 かぁっと全身に朱が昇る。静の名前が剣の口からでたことで、興奮が高まってしまった。それを察知したのか、剣がクスリと笑う。
「言っておくが……私は静ではない。お前を可愛がってやりはしない。だが、薬はたっぷり使ってやる。いつも静にされていることを想像出来るようにもしてやろう。手伝いが出来る身体になるまで、存分によがれ」
「だ、れが、手伝いなんか」
 剣は計都から離れると、再び椅子に腰掛けた。また腕時計を見ている。そして計都に視線を戻した。
「私は、『ファイル』が欲しい。八津葉を支配するには、『ファイル』は必須だ。さっきもいったように、お前には手間をかけさせられた。お前を静から離し、崩すために。お前を崩せば静を攻略できる」
「な……じゃあさっきの在ること無いことっていうのは……あなたはデタラメで俺を動揺させたと」
 資料室で会ったときから、剣は計都を煽った。まんまと乗せられたということか。
「デタラメとは心外だ。私の情報を舐めるな。お前の過去のデータ――出自や目的――は真実を知っている。わからなかったのは、お前と静の現在の関係だけだ。鎌をかけた。ギブアンドテイクの関係なのか、情人同士なのか……お前が静の可愛いペット、もしく性的玩具か。それはいい持ち札になるからな」
「性っ! ……は……ぁ、ふ」
 計都は、途中で言葉をとぎらせた。あまりの言われように、戒めを無視して動くと、起ちあがった性器に白衣が擦れた。敏感になっていたそこは、計都に強い快感を与える。
「不用意に動くと、話が出来なくなる。いまからこれでは先が思いやられるな」
「う、うるさいっ……つ」
「強がるな。腰が揺れているぞ?」
 また、剣が口の端で笑う。
「お前を揺さぶって、『ファイル』を持ち出させるようし向けた。静への不信感を抱かせたら、まんまと『ファイル』に案内はしてくれたが……鍵がフェイクだった。まさか、本当に静がお前を蚊帳の外においていたのは計算外だった。侮れんな、全く。あの男は」
 計都は唇を噛んだ。静は、やはり計都を裏切っていたのだろうか。計都を信じず、対等に扱ってくれなくなったのは、一体いつから。
「そこで……計都。お前に取引材料になってもらう。会議室での取引は失敗したが、お前が材料なら静はどうでるかな。そういえば、静は会議室の取引内容を聞かせてくれたか?」
「…………」
 ますます計都のこころはうなだれる。静は自分になにも教えてくれていない。
「そうか。それならますますはっきりした。お前は静の大切な玩具だ。そして恐ろしく執着している。この取引は成功させたい」
 ――大切な玩具。
 大切な計都。そう呼ばれるたび計都は嬉しかった。けれど、聡明な義兄は、計都を玩具として大切なだけだったのか。
 可愛い花の似合う、泣き虫計都。静にとって計都はいまだに四歳の幼児なのか。
 計都は剣を、復讐心に燃えた自らの過去の姿と重ねていた。しかし、静の態度は、剣に対してのものとはあまりにも違う。剣ほどの器も力もない脆弱な男にしか見えていないのか。
「お前のすることは簡単なことだ。私が静に電話をかける。……計都と『ファイル』の隠し場所の鍵を交換をしないか? と。お前は電話口でこう言うだけでいい。――助けて、義兄さん。苦しい、早く助けて」
「な……!」
「喘ぎながら、泣き叫ぶだけでいい。――犯される、怖い、助けて、静義兄さん、と」
 静に縋りつけ、泣いて助けを呼べ、なす術を持たぬ男の振るまいをしろ、と剣はいうのか。
「い、嫌だ! 出来ない!」
 静がどう思っていたとしても、自分からそんな真似をしたくはない。
「出来る身体にしてやる、と言っているだろう。嘘を言わせるわけではない。お前はこれから、快感に喘ぎ、啼いて、のたうち回ることになるのだから」

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