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蜜の罠

著者/ 松浦巽

イラスト/ 天点

タグ: シリアス 契約 過去のトラウマ エッチ濃いめ 緊縛 調教

広さ二十畳ほどの、隠された地下室。緊縛師・辻井の職場であるそこに、極上のペット候補がやってきた。彼の名前はアオ。容姿も申し分なく、背中に掘られた十字架のタトゥーが艶めかしく存在を主張している。雇い主の「御前」のため、アオを淫らに調教するのが辻井の仕事だが、縄に酔いしれるようになっても、アオには謎めいた部分があり…?


 黒い墨の上を指でなぞり、肩甲骨の間にそっと唇を押しあてる。これもまた、ずっとやってみたいと思っていたことだった。アオの肌は熱く、なめらかで、しっとりと汗ばんでいた。アオはかすかに体を震わせ、大きく息をついた。
 両腕を背中側にねじあげるようにし、高い位置で交差させて手首を縛りあわせた。残りの縄をそのまま上腕と胸に巻きつけ、閂をかけるように腋の下を通して締めあげると、腕をまったく動かすことのできない厳しい縛りになる。拘束という意味では役に立たないかもしれないが、緊縛されたアオの姿はことのほか美しく、魅惑的だ。
 足は片方ずつ折り曲げて、足首と太腿を一括りにした。間に縄をくぐらせて数回巻けば、しっかり締まって動かせなくなる。
 すっかり勃ちあがった股間も、改めて細縄で縛った。陰茎だけでなく、睾丸を囲むように陰嚢にも縄をかけて、少し食いこむ程度に締めつける。
「……んん」
 アオにはこのぐらいがちょうどいいらしく、艶めいた吐息がこぼれおちた。
 猿轡はせず、代わりに唇で口をふさいだ。軽く吸い、そっと舌を挿しいれると、アオは素直に受けいれてされるままになった。やがてアオも積極的に応えはじめ、二人はしばらく互いの唇をむさぼりあった。
 アオの体をあおむけに倒して、背中に座布団をあてがい、なめらかな肌に指を這わせた。縄の間から覗く乳首は硬くしこり、指の腹で押しつぶすようにもむと、アオは声を殺してよがった。その喉元に唇を押しあて、軽く歯を立てて、広げた舌でぞろりと舐めあげる。
「あ……っ」
 こらえきれず漏れた声は、蜜のようにとろりとして、甘い。
 縛られて不自由な体全体が、ねだるようにくねり、わなないていた。
 アオの体を口と手で愛撫しながら、辻井は自分の着ているものを脱ぎすてていった。その間にもアオは、ときおり激しく体を震わせ、すすり泣くように声を上げた。からめとられた性器からは透明なしずくがあふれ、彼の腹部をしとどに濡らしている。
 すっかり裸になると、辻井はアオの後孔に潤滑剤を流しこみ、コンドームをつけるのももどかしく、性急に挑みかかった。
 だがうまく入らない。アオのそこは充分にほぐれ、こちらを誘うようにひくついているのだが、いざ押しこもうとするときつすぎて進まなかった。辻井のものは御前よりだいぶ大きいので、御前に合わせて調整されたアオの体は、そこまで対応できないのだろう。
 腕を背中の下敷きにした体勢ではよけいに無理があると思い、辻井はアオの体をうつぶせにした。腰を抱えあげて背後から覆いかぶさり、片手で性器を撫でてやりながら、じわじわと押してみる。
 アオの体から力が抜け、少しずつ進みはじめた。
 中の狭さに圧倒され、一気に搾りとられそうになったが、辻井はかろうじてこらえた。いま達ってしまったら、だれか来る前にもう一度復活できるかどうかわからない。この限られた時間を、できれば最後までアオとともに感じたい。
「……う……く……うぅ……」
 アオは少しつらそうだった。片頬を畳に押しつけ、歯を食いしばって耐えている。その顔がまた官能的で、辻井は頭がくらくらする。
「大丈夫か」
「いい……から……入れて……」

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