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被虐のボディーガード

著者/ 松浦巽

イラスト/ 柊のぞむ

タグ: すれ違い シリアス 契約 社会人 クーデレ スーツ 外国人 寡黙 強気 エッチ濃いめ 凌辱 緊縛 警護

元警官の斉賀は米国から来日した青年実業家アンセルを警護する。しかしアンセル帰国後に攫われたのは斉賀のほうだった。斉賀を餌におびき出されるアンセル。英国の秘密警察やCIAまで入り乱れ防諜戦が展開。目的は? そして斉賀はアンセルを守りぬけるのか!?


「あ……っ」
 そこに触れた瞬間、かたくなだった黒い瞳が初めて表情らしきものを浮かべ、頼りなく揺れた。
 アンセル・モーガンは思わず息を呑み、組みしいた相手にしばし見とれる。
 二重瞼に、エキゾチックな切れ長の目。まっすぐ伸びた鼻梁。引きむすばれた口元。コーカソイドに比べると繊細なつくりだが、バランスよく整った魅力的な顔立ちだ。
 冷淡で生意気なこの男が、いま、自分の腕の中で、強固な殻を脱ぎすてようとしている――。
 男の名は斉賀祥。こういう状況になったのは多分にゆきがかり上だが、アンセルは自分の気まぐれに感謝したい気持ちだった。
 斉賀の両手首はネクタイで一つにまとめられ、ヘッドボードの透かし彫りに縛りつけられている。はだけられたドレスシャツは肩のあたりに絡みつき、一糸もまとっていない胸から下は、陰部も何もかも無防備にさらけだされている。
 やせているように見えた体は、脱がしてみると想像とは違った。脂肪もないが、見せかけだけの無駄な筋肉もない。アスリートのように上質な肉でうっすらと覆われ、しなやかで機能的だ。
 胸元にそっと唇を押しあてると、頭上から甘い吐息がこぼれてきた。
 もう一度指を動かすと、溶けかけていた体がびくりと緊張する。
「大丈夫だ」
 アンセルは強情な日本人に向かってほほえんだ。
「いっしょに気持ちよくなろう」
 ひきしまった臀部の狭間からいったん手を離し、潤滑剤をたっぷり絡めてふたたび近づける。触れるとまた体がこわばるのを感じたが、抵抗はしてこない。
 固く窄まったそこに潤滑剤を塗りつけながら、円を描くように愛撫した。内腿がぴくぴくひきつり、強い力でこちらの手首を挟みつけてくる。かまわずに続けていると、しだいに窄まりがほころび、息をするようにうごめきだす。
「……っ!」
 感じたのか、急に斉賀の体が大きくうねった。
 アンセルはぞくりとして唇を舐め、両手で斉賀の足をつかむと、膝を立てて左右に大きく割りひらいた。
 羞恥に耐えかねたように、斉賀が顔をそむけて目を閉じる。
 アンセルはその足の間に座りこみ、腿と腰で支えて閉じられないようにした。
 改めてじっくり攻略にかかる。
 襞のすみずみにまで行きわたるように、潤滑剤をゆっくり塗りひろげ、ひたすら表面だけを撫でまわした。急速に柔らかさを増したそこが、物欲しげにひくつきはじめるが、まだ中には進まない。ときおり会陰の方へ指を滑らせ、ひんやりした二つの果実をもてあそんでは、また窪みへと戻す。
 斉賀の息遣いが荒くなり、明らかに艶を帯びてくる。
 ころあいをみて少し強めに押すと、待っていたように口が開き、たやすく指先が呑みこまれた。
「……ん」
 聞こえるか聞こえないかぐらいの、鼻を鳴らすようなかすかな声。
 指の第一関節までうずめただけで、動かさずに斉賀の反応を確認した。苦悶するように眉を寄せているが、痛みを感じている様子はない。開いた両足が所在なげに身じろぎし、それに合わせて指先がきゅっと締めつけられた。
 その感触に、うなじの毛が逆立つ。
 中は熱く、予想以上に狭かった。ここに自分のものが収まるだろうかと少し不安になるが、やめるつもりはもちろんない。注意深く力を加え、そろそろと指を中へ押しこんだ。
 斉賀の体が硬直するたびに、食いちぎられそうなほど強く締めつけられる。血流の滞るその感覚が心地よく、一つにつながったときのことを想像して、アンセルの息も知らずしらず荒くなる。
「ああっ!」
 悲鳴のような声とともに、斉賀の腰が逃げようとした。先ほどまでとはうってかわって、まるでうぶな反応だ。
 左手で押さえこみ、右手をさらに動かすと、斉賀は不自由な両手を握りしめ、首を振って身悶えた。
「ここがいいのか?」
 問いかけると、斉賀は目を開けて弱々しくこちらを見た。何か言おうとするように口を開き、すぐまた閉じてしまう。
 潤んだ黒い瞳。ほんのり赤く染まった目元。ガードの消えたその顔は、無垢な少女にも、老獪な妖婦にも似て、だが紛れもなく、崩れおちようとしている男のものだ。
 アンセルはたまらない気持ちになって、斉賀の膝に唇を押しつけた。そのまま内腿に沿って噛みつくようにキスをくりかえし、果実の一つを口に含んでそっと舌先で転がした。
「あ……あ……う……っ……っ……」
 急所をくわえられた斉賀は、もがこうとしてできず、ただ耐えるしかない。
 その姿にアンセルはますます高ぶり、わざと追いたてるように指を動かす。
 何かの拍子に斉賀の股間が反応し、みるみる硬くなってそそりたった。そこには触れず、ただ内側から、ふくらんだしこりをやさしく撫でてやる。
「……んっ……うっ……」
 すすり泣くような声に、アンセルの股間も熱くたぎった。
 もう我慢できない。
 荒々しく体を起こし、性急にコンドームの封を切る。薄いゴムの被膜を引きのばすのももどかしいが、焦燥感さえ快感のスパイスになる。
「力を抜いて」
 アンセルは蜜のような声で言うと、斉賀のそこに自分のものを押しあてた。

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