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Kiss of Death

著者/ 如月清華

イラスト/ 如月清華

タグ: シリアス 作品集 契約 メガネ ヤンデレ 御曹司 白衣 エッチ濃いめ 異国 貴族

「どうした。腰が抜けたか? 遊んでる割りには、初心だな」。からかうように囁けば、ヘーゼルの双眸がキッと睨み上げてくる。殺し屋、魔族、人狼、護衛、守る者と護られる者。命を懸けた狭間で燃え上がる焔と、痺れるような鈍い熱を刻み込んだ珠玉の作品集。


「あなたは、男を抱いたことはあるの?」
 挑発的な視線を投げかけてくる、ヘーゼルの瞳。
 本城は精悍な顔に男臭い笑みを浮かべ、寝室へと続く扉にもたれる冬樹に近づいた。
「さあ……してみれば分かるんじゃないか?」
 ドアに片腕をつき、正面から冬樹を見下ろしながら応えると、冬樹のしなやかな腕が本城の広い肩に絡み付く。情欲に濡れ出した冬樹の双眸を見つめながら、艶やかな髪に触れるだけのキスを落とす。すぐそこにある唇が、もの欲しそうに蠢いた。
「……どうして欲しい?」
 本城が滴るような色気を含ませた声音を落とせば、冬樹は熱のこもった吐息を返す。
「……滅茶苦茶にして……全てを忘れるくらいに」
 その言葉を合図に、本城は噛み付く勢いで、潤んだ瞳で見上げてくる冬樹の唇を奪った。肩にまわされた冬樹の腕に一瞬力が込もるのを感じながら、熱い口腔を愛撫する。
 冬樹も積極的に、そんな本城へと舌を絡ませてくる。さすが遊び回っているだけのことはある。巧みなその動きもあって、本城は知らず、口付けを深く激しいものにしていた。
 冬樹の小さな後頭部を片手で支え、深く舌を差し込む。鼻にかかったような甘い吐息が洩れ始めた頃、抱き寄せた細い腰が揺れていることに気づき、本城は冬樹の両脚の間に長い脚を割り込ませた。
そのまま太腿で股間を押し上げるように刺激してやると、目の前の長い睫毛がフルリと震える。
 強く抱き締め、脚での刺激を続ければ、密着した冬樹のそこが服越しでも熱くなっていくのが分かる。と、その瞬間、冬樹が突然小さな悲鳴を上げた。ガクリと力を失う身体を、本城は力強い上腕で素早く支える。
「どうした。腰が抜けたか? 遊んでる割には、初心だな」
 からかうように囁けば、ヘーゼルの双眸がキッと睨み上げてくる。その目元が淡く染まっているのは、羞恥からか、興奮からか。
「……歩けない」
 拗ねたように呟く冬樹は、暗にベッドへ連れて行けと言いたいのだろう。しかし、本城はそれを分かっていながら、綺麗さっぱり無視した。
「えっ…や……待っ……ああっ!」
 冬樹の口から、嬌声が迸る。本城の大きな手が、熱くなった冬樹の中心を荒く揉みしだいたのだ。
 本城は、時には長い指でなぞるように、または強く握りしめるようにと、緩急をつけてそこを刺激してくる。服越しに感じるそれは、すぐ射精につながるような直接的な刺激ではないが、快感を呼び起こすには充分で、冬樹はたまらずパサパサと髪を揺らした。
 膝が笑っている。甘い痺れが広がった下半身では、立っているだけでも辛い。
「ああ……もう……」
 冬樹の口付けの余韻に濡れた唇からこぼれ落ちる喘ぐような声に、本城は目を細めた。割り込ませていた脚を退ければ、支えを失った冬樹の身体は扉にもたれながらズルズルと滑り落ち、ペタンとその場に座り込んでしまった。
 頬を上気させ、しどけなく脚を開き、くすぶる快感に小さく震えて俯いている冬樹の姿は、支配人に対して冷徹だった彼からは想像もできない。そのギャップに、本城はひどく嗜虐心を煽られるのを感じた。
 無意識に口元に笑みを刻みながら、本城は冬樹の前で膝をつき、視線を合わせた。
「そういえば、さっきはベッドに行きたそうにしていたな。ベッドで続きをしようか? それとも、ここで一回、出してやろうか?」
 一刻も早く下肢ににまとわりつく熱を解放したいであろう冬樹に対して、意地悪な質問だと自覚しつつも本城が問えば、案の定、冬樹はくやしそうに唇を噛み締めて、睨みつけてくる。もっとも、潤んだ瞳では、迫力も何もなく、誘っているようにしか見えないが。
 しばらく見つめ合っていた二人だったが、本城が小さく肩を竦めると、冬樹はフッと視線を逸らした。白く滑らかな頬が、真っ赤に染まっている。
「………ここで、して」

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